ワントーンで決めるスタイリングが人気です。
きちんとした概念のある色彩論からではなく、
あくまでもファッション用語になっている観があります。

色彩論から考えるワントーンとは?

色彩論からのワントーンは、
ひとつのトーンだけで組み立てたスタイリングと考えます。

極論ですが、
原色でまとめたヴィヴィットトーン
暗い色でまとめたダークトーン
となりますが、
ファッションで考えると、とてもファッション雑誌で取り上げられるものではないです。

何が違うのか?

色彩論でいうドミナントトーンは
ひとつのトーンを決めて色は自由に選んで配色することです。

この配色は、ファッションのワントーンではないですね。

ワントーンはワンカラー

ファッションのワントーンは、実際はひとつの色でまとめたスタイリングのようです。

色彩論で考えると、
同じ色の濃淡の配色は、ドミナントカラーです。

ファッション雑誌でうたわれている
白のワントーンスタイリング
黒のワントーンスタイリング
グレーのワントーンスタイリング
が、あります。

ところが、黒、白、グレーは無彩色なのでトーンは存在しません。
(トーンは、色相、明度、彩度の要素で成立しています)
あり得ないのです。
無彩色は、黒、白、グレーという色相と明度(明るさ)だけです。

ワントーンは、同じ色のグラデーションともいわれます。
ところが、色彩論のグラデーションは
3色以上の多色を色相・彩度・明度を一定の法則に従って段階的に変化させる配色のことです。
リズム感が生まれ立体感や遠近感などの視覚効果を得られます。
全く違う理論ですね。

ファッションでは、
色彩論の概念よりファッション用語の響きを優先するところが少し残念です。

トーン

ワントーンを作るときに役に立つ色彩論

先述のドミナントカラーは、同じ色の濃淡の配色です。
ドミナントカラーで、ワントーンスタイリングを構成すると
同じ色の濃淡の組み合わせなので、少しコントラストのあるワントーンになります。

お薦めするカマイユ配色は、
色相・トーンの差がほとんどなく、区別がつかないほど微妙な色調の違いによる配色です。
素材の異なるものの組み合わせで、微妙に色が変化があるのもカマイユ配色。
カマイユ配色に対し色相・トーンもやや変化をつけたのがフォ・カマイユ配色です。

このカマイユ配色こそ、ワントーンのスタイリングに通じるものがあります。

同じ色でも異素材で微妙な変化を作る
ワントーンスタイリングは、カマイユスタイリングとも言えそうです。

ワントーン

(ファッションのサイトからお借りしました)

ワントーンは、色と明るさの差が極力ないようなスタイリング。
異なる素材による微妙な差を意識するとよりステキなワントーンになりそうです。

色彩論のカマイユ配色が、ファッションのワントーンに最適と考えました。
わたしは、カマイユスタイリングと密かに言っていこうかな。

カマイユ配色も含め色彩調和という理論は、
ファッションだけでなく暮らしの中でも多いに役に立つ知識です。