スカーフにもストールにも表と裏があります。
表と裏の考え方や見方をアートを見る観点からお伝えします。

スカーフの裏表の判断

正方形のシルクスカーフの表裏は、色の濃淡や艶(光沢)の強弱で判断するのが
一般的です。
文字表示、例えばブランド名などがあれば、
左から読むことで判断もできます。

そして、もうひとつは縁の始末で判断します。

機械でかがっている縁は、ミシンの縫い目で抑えているだけなので平面です。

ところが、職人さんが手でかがった縁には戸惑う方が大変多いです。
ひと針ひと針の手縫いは、立体感のある縁になるのでとても分かりにくいようです。
表と判断したら、縁は裏のような出来栄えになっているからなんです。
こういう場合は、柄や色の濃淡で判断してください。

縁かがり

手縫いの縁かがりは、縁が立体的になりトリミングのような表情になります。
わたしの手持ちでも、エルメス、ニナリッチのスカーフの縁は手かがりです。

もうひとつは、タグの付き方です。
裏の縁に添って縫いつけられたタグも目安になります。

ストールは、
色と風合い、タグの付き方(タグが表に縫い付けられていることもあります)が目安になります。
裏表が、あまり分からず迷うものもありますし、
両面とも表としてリバーシブルなものもあります。

表と裏を生かすストールの巻き方

たいがい、裏面が見えないように表地を100%出すことを意識して巻きます。
確かに表地は、発色もよくきれいに映るので当たり前ですね。

ぬのこころでは、
裏地を敢えて見せることで、表地を引き立たせる巻き方をお伝えしています。

濃淡や明暗、風合いの差異を生かして陰影を施すのです。
視覚的に立体的な表情を作れます。

ベタに平面的に巻くよりも
数段スタイリッシュな巻き方に変わります。

裏あっての表
表あっての裏

互いを引き立てあう相乗効果で出来栄えに差ができます。

これは、
絵画の描写から発想したオリジナルなスキルです。
美術鑑賞好きと絵を描く経験から発案しました。

リバーシブル

リバーシブルは、両面が表裏にスイッチできます。

同じような色や全く違う色、
無地と柄、柄違いなど組み合わせは無限大
全体的なバランスを考えて、表と裏面の面積のさじ加減がポイントです。

そのさじ加減で、
多様にアレンジができること
二度と同じに巻けない
巻くたびに表情が変わることが
リバーシブルの魅力です。

まずは、手に取って素材の感触を確かめ、
表裏の表情をよくよく観察することで
一枚のスカーフやストールの持っている味を引き出します。

表裏で甲乙を判断するのではなく、
どちらも一緒なんです。